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5月20日(火)
西村京太郎「十津川警部 アキバ戦争」は吹き出すのを我慢しながら読むべし
十津川警部シリーズ3年ぶりの書下しとなる、西村京太郎「十津川警部 アキバ戦争」を読みました。いやあ、面白かったですよー。
というのもですね…。まずはあらすじを引用させていただきます。
「おかえりなさいませ、ご主人様」
秋葉原のメイド喫茶を訪れた日本画家・衣川円明は、交通事故で亡くなった娘・あすかによく似たメイドと出会う。彼女の名前は県明日香。名前まで一緒だ。
「故郷の山形に帰る前に、自分をモデルにしてほしい」という明日香の頼みに、日本画の最高峰と称されながら個展を開くことも絵を売ることもほとんどなかった孤高の画家は、娘のかわりに彼女の夢をかなえようと、一流ブランドで服を買い与え、高級ホテルで父娘の生活を楽しんだ。
だが翌日「娘の明日香を誘拐した」という電話が。身代金は一億円!
3年ぶりの書下しがこれでいいんでしょうか。いや、けっしてアキバ云々の題材がどうなの?とか言うつもりはなくって。まあ、読めばわかりますけどね…。
さて、そういうわけで読むところはミステリ部分じゃありません。
エレベーターが、七階についたところが、即、メイド喫茶の入り口に、なっている。
二人が入った途端に、メイドの格好をした、十代と思われる若い女性が、
「お帰りなさいませ、ご主人様」
という。
そういう挨拶のことは、前もって要に教えられていたが、実際にいわれてみると、何だか照れくさい。
だが、不快ではなかった。
もう、小説というよりこれは西村京太郎の体験記にしか見えないわ。@ほぉ〜むcafe でも行きましたかね?
その他にも、カモフラージュのために、抱き枕をかかえてアキバを歩く刑事は、
「このアキバに、やって来る人間は、たいてい、自動販売機で、缶詰のおでんか、このラーメンを買うんだ」
と、さも知った風に言い放ち。
そして、十津川警部に至ってはですね。
十津川は、いったん、四谷の捜査本部に戻ると、本部長の三上に、県明日香のフィギュアを買い求めたいので、五十万円を出してほしいと、頼んだ。
これが吹き出さずにいられようか。いやない。
ストーリーには無理矢理「つばさ」「やまびこ」「つくばエクスプレス」などが登場。
さらに、誘拐されたメイドのコアなファンである、フィギュア師、自作エアガンマニア、コンピュータマニアが登場して事件は混迷を極めます。
というわけで、これは、西村京太郎が徳間書店の担当者にアキバに連れて行かれて、「これで一冊どうすか?」とそそのかされ、書き始めてみたものの収拾がつかなくなったのでさじを投げた、という大変おもしろい作品になっています。
ぜひ、読んでみるといいですよ。あ、ミステリーは期待しないこと!
なんだか楽しそうだー
2008/5/20 07:54