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3月 1日(火)
AIR #07「ゆめ〜dream〜」
ゲームで言うところの Dream 編が終了。アニメ TV の AIR 特集で石原立也監督が語っていたところによると、原作に忠実に、ファンを裏切らないように、という作り方をしているということだ。確かに振り返ってみると、お手本のような攻略ルートだったと思う。AIR #07「ゆめ〜dream〜」。
とにかく、川上とも子の演技がすばらしい。力のないカラ元気のせりふが、1話のとは明らかに違っていて、観鈴ちんの病み具合がよくわかる。
声優グランプリ2月号の記事で、川上とも子が次のようにインタビューに答えている。
−観鈴は「がおー」「にはは」と、かわいい口癖がいっぱいあるキャラですね。
川上 でもそんな口癖にも悲しい秘密があるんです。「にはは」という笑い方もね、すごく難しいバランスのものなんです。ゲームの収録のとき、観鈴ちんが痛々しく見えちゃいけない、がんばってる姿が見えて物語が進んでいかないと私自身も観鈴ちんも悲しくなっちゃう……とすごく悩んでて、半分くらい収録が進んでいたとき、こんな観鈴だったら救われるんじゃないだろうかというのを提案したら、採用してもらえて、録り直させていただいたんですよ。それが今の観鈴ちんなんです。
アニメを追いかけるようにDC 版をプレイしてみてるけど、やはり、川上とも子演技はすごかった。
まず、半分くらいとはいえ、ゲームのセリフのような莫大な量を録り直したということに驚く。そして、川上とも子のプロ意識が、すさまじいと感じる。本当に観鈴を自分のものにした上で、これじゃいけない、と観鈴像を再構築するその執念がすごい。
それが「にはは…」「が、がお…」を自然なセリフにしているのだと感じる。
アニメが終了するころに、3千円以下の廉価 PC 版が発売されるみたいなんで、ちょっと売れそうだけど、上記の理由からエロは捨てて、DC 版か、PS2 版で川上とも子の演技を聞いてもらいたい。
ちょうど PC ゲーム版だと、この寝たきり観鈴の体を求めてしまうわけだけど、DC 版、アニメ版でそれが削られたことで、よりそれぞれの立場がはっきりしたように思う。観鈴が往人に対して寄せる想いと、往人が観鈴に対して寄せる想いには、差があると思っている。
観鈴は往人を見ているようで、やはりその先に、空にいる、羽を持った女の子を見ている。往人は空にいる女の子を追い求めて、観鈴という終着に辿り着いた。
どうして今まで気づかなかったんだ。オレはお前の側にいて、お前が笑うのを見ていればそれで幸せだったんだ。そうしていればオレは幸せだったんだ。もうどこへも行かない。オレの側で笑ってろ。なぁ、観鈴。
オレは観鈴の側にいたい、出来ればもう一度、会ったときからやり直したい。そうしたら今度こそ、ずっと、観鈴と…。
と観鈴の手を取って告白する往人。ついこの間まで佳乃や美凪にうつつを抜かしていながら、いつの間にここまで観鈴に想い入れていたのか、というのは冗談だけど、アニメでは Dream 編の各キャラのいいとこ取りをした割には、ストーリーに置いていかれないで往人と観鈴に感情移入できたのでよかった。
それはやはり常に観鈴を丁寧に描いてきたスタッフの力と、川上とも子の演技によるものではないだろうか。
そして、Dream 編をしれっと終わらせちゃって、ものすごい引きで Summer 編に引きずり込んだ演出もすごい。先を知っていたとしても、先が気になる作りなのである。
冒頭のアニメ TV において監督が「AIR はハッピーエンド」と断言していた。AIR がハッピーエンドかどうか、というところは人によって受け取り方がさまざまだと思うけど、わざわざ断言するということは、しっかりした答えをもって臨んでいるということで、期待したい。
ちなみに最近はAIR Pocket ADVANCE で、横になって AIR したりしているので、寝ても覚めても Air って感じ。2005/3/ 1 00:34