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Rec の基本的な操作については、チュートリアルで一通り体験しました。ここでは、より詳しい操作を紹介していきます。
まずは、Rec の2つの編集モードからみていくことにします。Rec での曲データの編集には以下の二つのモードがあります。
テキストフィールドや歌詞リストの各行をクリックして、文字入力を行うモードを入力モードと呼びます。入力モードでは、曲情報・歌詞の入力や、メディア再生の制御を行います。
曲情報の入力
入力する曲情報には以下の種類があります。
メディアファイルを指定した際に、曲名、歌手名、作品名、作曲、発表年の情報をファイルから取得し、自動入力します。ただし、すでに手動で入力している場合は置き換えません。
入力した曲情報は、以下の画面で使われます。
曲タイトル表示時の画面(左)/タイトル画像を指定した場合は、その画像がタイトル表示として使われます(右)
曲再生終了時の画面(左)/予約曲再生待ちの画面(右)
歌詞の入力
歌詞を入力するときは、歌詞リストの各行をクリックして、直接セル内の歌詞を編集します。
Rec はほぼテキストエディタと同じような操作性を実現していますが、歌詞の入力は使い慣れたテキストエディタを用いて、入力したテキストファイルを Rec で開いて編集する方法が効率がよいと思います。
テキストエディタで入力したファイルを Rec で開くと、以下のような状態から編集をスタートできます。
テキストエディタで単純に入力した場合は…
Rec で開くと、そのまま表示されます
また、あらかじめタブで歌詞を区切っておけば、歌詞を細かく区切った状態で編集をスタートすることもできます。
タブで区切っておくと…
Rec 上でタブ切りするのと同じ効果があります
フレーズとワード
JoyHack Systemシステムでは、便宜上、歌詞をフレーズとワードという2つの概念にわけて考えます。
フレーズとは、いわゆる歌詞カード上の「1行分」の歌詞のことです。Rec の歌詞リスト上では「/」で区切られる各行がまとまってフレーズを構成します。
ワードとは、フレーズを細かく区切ったものです。タイムコードの入力はワード単位に行います。Rec では、歌詞リスト上の各行がワードになります。
HackENT では、フレーズを1行で表示できるように、フォントサイズを自動的に決定して再生します。そのため、フレーズの文字数が多くなりすぎると、フォントサイズが小さくなってしまい、見づらくなってしまいます。歌詞カードでの表記にとらわれず、適当な位置でフレーズを分割するよう心がけてください。
タイムコード
JoyHack Systemシステムでのタイムコードは、以下の形式で表されています。
分、秒の次はフレームとなっています。Rec では、1 秒を 60 フレームで表しています。ミリ秒とは違うので注意してください。
ルビ(読みがな)について
以下のように、ワードごとに、ルビ欄に読みを記述することで、歌詞表示時にルビを表示させることができます。
ルビ欄に読みを入力します。
読みを入力したワードの上に、ルビが表示されます。
上記の例では、1文字のワードにそれぞれルビを振っていますが、ワード「地球儀」、ルビ「ちきゅうぎ」のようにしても構いません。
入力モードの操作
タブキー | 歌詞の行内で、細かくワードを区切るときに使います |
エンター(Return)キー | フレーズの終端であることを示す「/」を入力します |
デリートキー | 行頭でデリートキーを入力した場合は、編集中のワードと前のワードが接続されます |
カーソルキー上下 | カーソルキーの上下で、編集中のワードの前後のワードへ移動します |
カーソルキー左右 | カーソルが行頭、行末にある場合は、編集中のワードの前後のワードへ移動します |
コマンド+← | 再生位置を1秒巻き戻す |
コマンド+→ | 再生位置を1秒進める |
コマンド+↑ | 再生位置をA-Bリピート再生の開始点へ移動 |
コマンド+↓ | 再生の開始・一時停止(スペースキーと同じです) |
コマンド+シフト+↑ | A-Bリピート再生の開始点を設定 |
コマンド+シフト+↓ | A-Bリピート再生の終了点を設定 |
エスケープキー | 入力モードを終了して、Recモードへ移行します |
ワードが選択されて青くハイライトしている状態を Rec モードと呼びます。Rec モードでは、ワードに対するタイムコードの入力と、メディア再生の制御を行います。
メディアファイルを指定し、再生を開始した後、ワードが選択されている状態で、エンター(Return)キーを押すとタイムコードが入力されます。
Rec モードの操作
エンター(Return)キー | 選択されているワードにタイムコードを入力 |
カーソルキー上下 | カーソルキーの上下で、選択中のワードの前後のワードへ移動します |
スペースキー | 再生の開始・一時停止(コマンド+↓と同じです) |
デリートキー | 選択されているワードをデリート |
コマンド+クリック | コマンドキーを押しながらタイムコードのセルをクリックして、再生位置を移動 |
再生速度ジョグ | マウスでジョグダイヤルを回して、再生速度をコントロールします |
コマンド+← | 再生位置を1秒巻き戻す |
コマンド+→ | 再生位置を1秒進める |
コマンド+↑ | 再生位置をA-Bリピート再生の開始点へ移動 |
コマンド+↓ | 再生の開始・一時停止(スペースキーと同じです) |
コマンド+シフト+↑ | A-Bリピート再生の開始点を設定 |
コマンド+シフト+↓ | A-Bリピート再生の終了点を設定 |
エスケープキー | Recモードから、選択しているワードの入力モードへ移行します |
なお、タイムコードのカラムと、歌詞のカラムはマウスドラッグで入れ替えることができます。好みのレイアウトを選択してください。
入力したタイムコードのタイミングが合っているかどうかを簡単に確認することができます。
上のように、ワードが選択されて青くハイライトしている状態で、「ファイル」メニューから「フレーズを再生」または「ワードを再生」を実行します。すると、以下のようなウィンドウが開き、再生確認をすることができます。
「フレーズを再生」を実行した場合は、選択されたワードを含むフレーズを再生します。また、「ワードを再生」を実行した場合は、選択されたワードのみを再生します。再生する対象の前後1秒が多めに再生されます。
なお、このモードでは、ルビや、次項で詳述する制御タグは反映されません。
以下の種類のタグがワードに含まれていると、再生時にそれぞれのタグに割り当てられた動作をします。直接入力しても構いませんし、「タグ」メニューから挿入することもできます。
メニューを選択することで、カーソル位置にタグを挿入します。
<clear>タグ以外のタグは、1ワード中に複数指定することができます。
<ruby>タグ以外のタグは、タグのみを含むワードとして存在することができます。
<clear>タグ
<clear>タグは、以下のように使用します。
上記の例では、00:00:00 に画面上の歌詞表示をクリアし、00:09:03 に表示を再開します。前奏の間は歌詞表示をさせたくないので、このようにして、歌い始めの直前に歌詞が出てくるようにするためです。
<clear>タグを使って、間奏の間も歌詞表示がない状態にしておくとよいでしょう。
以下のように、<clear>タグに続けて数値を指定すると、表示を再開した時点から歌詞表示の行数を変えることができます。指定可能な数値は 1〜4 です。
サビの前まではデフォルトの2行表示のままとしておき、サビの部分から3行表示になるようにします。
<clear>タグによって、2行表示されている歌詞が一瞬消えた後、3行表示になります。
なお、<clear>タグは、上記例のように、フレーズの開始ワードとなるようにし、次にフレーズ終端の「/」がこなければなりません。
<color>タグ
ワードに<color>タグを付加し、その後に色情報を指定することで、そのワード以降の歌詞表示色を変更することができます。
<color>タグが付加されたワード以降の文字色が変わります。
この例では、青をレ・ミィ×コトナのデュエット、黄色をミィ様パート、ピンクをコトナパートとしています。
指定形式は以下の通りです。
<color>[塗り前],[縁取の塗り前],[塗り後],[縁取の塗り後],[ルビ塗り前],[ルビ縁取の塗り前],[ルビ塗り後],[ルビ縁取の塗り後]
それぞれ [] 内を省略可能です。例えば、歌詞の塗り前の色だけを変えたい場合は、「<color>[塗り前],[縁取の塗り前],[塗り後],[縁取の塗り後],,,,」とします。ただしカンマは省略不可です。
なお、<color>タグは、後述のタグ入力補助ツールで簡単に入力できますので、そちらを参照してください。
<image>タグ
以下のように、ワードに<image>タグを付加し、その後に画像のファイル名を記述することで、背景画像を任意のタイミングで表示できます。
<image>タグに続けて、ファイル名を入力します。
ファイル名の記述は、曲データファイルのあるフォルダからの相対パスで指定します。例えば、曲データのあるフォルダの中に「pictures」というフォルダを作り、そこに画像ファイルを格納している場合は、「<image>pictures/picture.jpg」と記述します。
<skip>タグ
以下のように、ワードに<skip>タグを付加し、その後に見出し名を入力することで、Hackでの再生時に「スキップ」メニューに列挙されます。
<skip>タグに続けて、見出し名を入力します。
HackENT のスキップメニューにリストされます。「曲の先頭」「歌い出し」「歌い終わり」は自動的に作成されます。
メニューを選択すると、再生位置が<skip>タグを付加したワードのタイムコードの位置までジャンプします。
<sub>タグ
行頭に<sub>タグを記述することで、サブタイムラインを利用することができます。これについては次項で説明します。
サブタイムラインを用いることで、一番下の1行を別のタイムラインで再生できるようになります。サンプル動画をこちらで公開しています。
2行目と3行目の歌詞の塗りつぶしが同時に行われています。
サブタイムラインを利用するには、独立して進行させたい行の頭に<sub>タグを記述するだけです。
リンク先のサンプル動画では、上のような記述をしています。
<color>タグと<image>タグについては、簡単に入力できるツールを用意しています。「ツール」ボタンをクリックすると、以下のドロワーウィンドウが表示されます。
Color Tool
カラーボタンをクリックしてパレットを開き、各要素の色を選択してください。左上から順に、塗り前、縁取の塗り前、塗り後、縁取の塗り後、ルビ塗り前、ルビ縁取の塗り前、ルビ塗り後、ルビ縁取の塗り後に対応しています。
選択した色によって、<color>タグが生成されますので、コピーして使います。
Image Tool
画像ファイルをドロップすると、<image>タグが作成されますので、コピーして使います。
Rec では、以下のファイルを開くことができます。ファイルの文字コード、改行コードは自動判定されますので、気にする必要はありません。
ハックデータ
Rec が作成するJoyHack System用曲データファイル(拡張子.txt)です。これをハックデータと呼んでいます。他のフォーマットのファイルを開いた場合も、保存時はこのフォーマットで保存されます。
テキストファイル
タイムコードを入力する前の、歌詞テキストです。テキストエディタで、あらかじめフレーズをタブで区切っておくこともできます。
lrcファイル
「[00:10:00]あいうえお」といった形式で表現される、行頭タイムタグ付き歌詞ファイル(拡張子.lrc)をなんとなくインポートできます。
kraファイル
「[00:10:00]あいうえお[00:20:00]かきくけこ[00:30:00]」といった形式で表現される、カラオケタグ付き歌詞ファイル(拡張子.kra)をなんとなくインポートできます。
「補正」フィールドに「-00:00:30」「+00:00:20」などと入力しておくと、HackENT での再生時にその値でタイムコードを補正して再生してくれます。
例えば、曲のタイミングに合わせて入力したタイムコードですが、心持ち早めに歌詞の塗りが進んでくれる方が歌いやすかったりします。そういう場合は、「-00:00:15」などとして、タイムコード全体が補正されるようにしておきます。
また、タイムコード入力作業の時はボーカル入りのメディアファイルを使って入力し、HackENT で再生確認を行い、最後にカラオケのメディアファイルに差し替えるという Rec のテクニックがあります。こうするとタイミングがあっているかどうか容易に判断できるためです。
しかしながら、ボーカル入りのデータとカラオケデータで、曲が始まるまでの無音部分の長さが微妙に異なっていることがあります。その場合も、Rec をやり直すのではなく、タイムコード補正で対応できます。
HackENT では曲の再生が最後のタイムコードにさしかかったところで、再生を終了し曲をフェードアウトさせます。
そのため、以下のように歌詞の終了が最後のタイムコードになっていると、やや唐突に再生が終了してしまう感があります。
これを回避するには、以下のように空白にタイムコードを打って、再生の終了を遅らせるのがよいでしょう。こうすればある程度余韻を持たせて再生を終了できます。
ただし、これはおせっかいですが、カラオケボックスでは大抵の場合、曲の最後まで再生されるようなデータは嫌われます。
曲データは以下のように、テキストファイルとメディアファイルを一つのフォルダに格納しておく必要があります。
タイトル画像がある場合も、同じフォルダに格納しておきます。
「images」フォルダ
「images」フォルダを作成し、中に画像ファイルをいくつか格納しておくと、自動的に背景画像を切り替えながら再生を行います。
なお、「images」フォルダを利用する優先順位は以下の通りです。
「v_」付きメディアファイル
通常のカラオケ音声のメディアファイルに対し、ファイル名の先頭に「v_」をつけたボーカル入りのメディアファイルを準備して同じフォルダに入れておくと、HackENT でボーカル入りのファイルを認識します。
HackENT の「制御」メニューから「ボーカルとカラオケを切り替え」を選ぶことで、再生中のボーカルとカラオケの切り替えが可能となります。
なお、カラオケデータがなく、ボーカル入りのメディアファイルしかない場合も、メディアファイル名に「v_」をつけておくことを推奨します。
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